レポート 第3回伊那市LoRaWANハッカソン

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2017年10月21日・22日の2日間、長野県伊那市にて、次世代無線通信規格LPWAのLoRaWANを活用したIoTプロダクトによる地域課題の解決を目指す開発者イベント「第3回伊那市LoRaWANハッカソン」が開催されました。

BBA事務局メンバーがこのハッカソンに参加してきましたので、その模様をレポートいたします。

伊那市は、1997年にADSL技術の実用化を目指して国内初の導入実験を実施した地でもあり、実験から20周年を迎え、現在は地方版IoT推進ラボの選定地域となっています。スマート農業、ドローン活用、ICT教育の3つを実証課題に取り上げ、日本最大の「IoTテストベッドシティ」を目指して、LPWAネットワークとIoTによる地域課題解決の実証を進めています。5月にはLoRaWANゲートウェイの電波受信試験を実施。ハッカソン主催のいなあいネットの事務所内に設置したゲートウェイからは7.8km、屋外に持ち出した時には最大到達距離9kmを記録したとのことです。

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ハッカソンは参加者がチームを組み、現地の実情に触れながらアイデアを出し合い実際に動作するシステムを構築し、地域課題を解決するIoTプロダクトの創出を目指すもので、今回で第3回目の開催になります。第1回目では鳥獣被害対策の「くくりワナ通知システム」のチームが優勝、その後このチームは伊那市から補助金を受けプロダクトの実用化にむけて開発を進めているとのことです。今回はハッカソンの開催にあわせて、10月18日~20日に「ドローンフェス in INA Valley」、10月20日に「ADSL20周年記念イベント」の式典・シンポジウムも併催されました。

ハッカソンでは会場の伊那市創造館の屋内にLoRaWANゲートウェイが設置されました。BBA事務局メンバー含め約40名が伊那市内外から参加者に集い、LoRaモジュールと ARM mbed プラットフォーム、その他開発アプリケーションを使用して、様々なセンシングデバイスを活用したIoTプロダクトを開発しました。

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開発に先がけて、現地の産業を訪れて課題をヒアリングするフィールドワークが行われました。1つ目は上伊那森林組合を訪問。参加者は伊那市の林業の課題を伺うとともに、ストーブなどの燃料に使われる木質ペレットの生産工場を見学しました。2つ目は酒造メーカー・仙醸の生産工場を訪問。酒造におけるこれまでの機械化・IT化の取り組みと課題を伺いました。

さらに伊那市役所内で実施された課題ブレインストーミングの内容が共有されました。それらの地域課題を踏まえて、参加者は6チームに分かれて課題解決のアイデアを出し合い、約1日半の時間をかけてプロトタイプ開発に取りかかりました。

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最後には各チームが課題解決のアイデアとハッカソンで開発したプロトタイプを発表。今回は山の遭難者捜索システム「やまなび(仮)」のチームが優勝しました。このプロダクトでは、入山者はLoRa、GPS、LED、ブザー、スイッチが内蔵した携帯端末とを所持し、遭難時にはスイッチを押して救難要請を発信します。要請を受けた捜索隊員は、同じくLoRa内蔵の携帯端末を所持して捜索し、登山道に設置した複数の中継機と電波感度をやりとりすることで遭難者の所在地を推定するというシステムです。端末だけではなく、入山者管理と要救助レベルの判定をするWEBシステム、登山状況のステータス表示をするスマホアプリまであり、短期間で高い完成度のプロダクトがここで開発されました。

他にも、道祖神の形をしたデバイスを街中に設置して徘徊老人などに道しるべを示すものや、GPSを用いずLoRaの電波強度のみで位置推定をして野獣対策やお年寄り、ペットなどの見守りをするもの、登山者にLoRa端末を持たせて位置情報のトラッキングデータを蓄積して登山ルートマップを作るものなど、たくさんのアイデアのプロダクトが発表されました。

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審査員長および主催代表のいなあいネット 白鳥代表理事組合長からは、今回のハッカソンの総評として、地域に根づいた更なる課題の抽出とプロダクトの実用化にむけた期待のコメントがよせられました。


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